「ChatGPTに自社名を入れても紹介されない」。そこから調べ始めた方に向けた記事です。AIO対策とは、AIの回答の中で自社が正しく紹介される状態をつくる取り組みで、最初の一歩は現状の確認です。 ここでいうAIOは、ChatGPTやGoogle検索のAI回答に向けた最適化を指します(パソコンの一体型製品を指す「オールインワン」とは別の言葉です)。同じ取り組みはLLMO(大規模言語モデル最適化)、GEO(生成エンジン最適化)、AEO(回答エンジン最適化)とも呼ばれ、本メディアではこれらを総称して「AIO」と表記します。この記事では、AIO対策の最初の一歩である現状確認に絞り、AIが引用元を選ぶ流れ、自社の現状を確かめる3つの手順、打ち手の比べ方と着手する順番を見ていきます。SEOとの違いや施策の全体像は、AI検索の対策(AIO)とSEOとの違いを解説した記事にまとめています。

ChatGPTやAIによる概要に自社が出てこないのはなぜか

自社が出てこない理由は、大きく3つに整理できます。材料が足りないか、AIからの読み取りを止めているか、回答が揺れているかのどれかです。まず前提として、調べものの入口そのものが動いています。全国の15〜69歳を対象に2026年2月に実施された調査では、生成AIの利用率が27%から51%へと1年でほぼ倍になりました(NTTドコモ モバイル社会研究所「生成AI利用率、過半数に。1年で急増」、2026年4月)。

Googleの検索結果の上に出るAIの要約は「AIによる概要」、質問を重ねながら調べられる対話型の画面は「AIモード」と呼ばれます。AIモードは2025年9月から日本語での提供が始まりました(Google Japan「Google 検索の AI モードを日本語で提供開始します」、2025年9月)。名前としては2つに分かれている一方、2026年1月にはモバイルのAIによる概要から追加質問をすると、そのままAIモードの対話へ移れるようになりました(鈴木謙一「AI OverviewとAI Modeが連携、AIO→AIMへと継ぎ目なく追加質問できるように」、2026年1月)。2026年5月のGoogle I/Oでは、AIモードの月間利用者が10億人を超えたことが発表され、AIによる概要から追加質問をしてAIモードの対話へ移れる流れもあらためて紹介されました(Google「A new era for AI Search」(英語記事)、2026年5月)。私たちは、この2つの境界はさらに曖昧になっていくと見ています。それぞれの機能はAIによる概要の特徴とSEOへの影響をまとめた記事とAIモードをSEO視点で解説した記事で扱っています。

自社が出てこない理由を、あらためて3つ並べます。

  1. AIが自社を知る材料が足りない。自社サイトにも外部の記事にも、回答に使える事実が書かれていない状態です。
  2. AIからの読み取りを止めている。設定やサーバー側の制限で、AI向けのアクセスを弾いている状態です。
  3. 回答が毎回同じにならない。同じ質問でも、聞いた日や環境で出てくる社名が入れ替わります。

AIの回答の見え方を計測するツールとコンサルティングを提供している株式会社AI Hackでは、「ChatGPTで自社名を聞いても出てこないんですが、何から手をつければいいですか」という相談を受けることが多いです。私たちはまず、自社名を出さない質問での語られ方を複数のAIで記録し、原因が上の3つのどれなのかを切り分けています。

AIO対策とは何をする施策か(SEO・AEO・GEO・LLMOとの関係)

AIO対策は、AIの回答の中で次の4つの状態をつくる取り組みです。名前が出る、自社サイトが引用元として示される、語られ方が好意的である、内容が正しい、という4段の重なりだと考えると分かりやすいと思います。

  • 言及:回答の中に社名やサービス名が出てくる
  • 引用:回答の引用元として自社サイトが示される
  • 語られ方:紹介される文脈が好意的である
  • 正確さ:書かれている内容が事実と合っている

言葉の成り立ちや全体像はAIO(AI Optimization)の意味を整理した記事にまとめています。

SEOとの違いは3点あります。最適化の対象が検索結果の順位ではなく回答文の中身であること、読者の到達点がクリックではなく回答内での言及であること、そして計測が順位ほど再現しないこと。呼び名はAEO、GEO、LLMOなど複数ありますが、どれもAIの回答に載ることを狙う取り組みの別名で、指しているものはほぼ同じです。

Google自身は、生成AI機能に表示されるための追加要件や特別な最適化はないとしており、従来のSEOの基本がそのまま有効だと説明しています(Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」、2026年9月時点)。つまり土台は地続きです。私たちはAIO対策を、SEOの置き換えではなく上乗せだと考えています。

AI検索が引用するページを選ぶまでの流れ

AIは質問を受けてから引用元を示すまでに、いくつかの段階を踏みます。この段階を知っておくと、自社のどこが関わっているのかが見えてきます。

AIは1つの質問を複数の検索に分ける

AIは会話文の質問をそのまま調べにいくわけではありません。「AIO対策 やり方」と聞かれたら、意味、手順、SEOとの違いなど、複数の検索に分けて調べます(Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」)。だから、単語で戦うより、実際の相談文で拾われるかが問題になります。たとえば「月3,000円以下に抑えたい。おすすめは?」のような文です。この形で自社が候補に入らなければ、社名を知らない人には届きません。

AIは集めた候補から引用元を選ぶ

引用元になる前提は、ページが検索に登録され、説明文(検索結果に出る短い抜粋)付きで表示できる状態であることです(Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」)。そのうえで、答えとして抜き出せる部分があるかが効いてきます。結論が先に書かれているか、質問と答えの形になっているか。逆に、答えが書かれていないページや、抜粋の表示を自分で止めているページは候補から外れます。

次の図は、質問が届いてから引用リンクが並ぶまでの順序を追ったものです。

AI検索が質問を受けてから引用元を選ぶまでの流れ

同じ質問でもAIの答えは変わる

AIの回答は、同じ質問でも毎回同じになりません。ですから、複数のAI、複数の質問、複数回という3つを掛け合わせて見ます。単発の結果はあくまで参考値です。私たちは1回の結果で施策の良し悪しを判断しません。

引用の材料は自社サイトの外にもある

回答の材料は自社サイトだけではありません。比較サイト、第三者メディアの記事、口コミの記述も使われます。日本語では、技術系の投稿サイトや個人ブログ、口コミの影響が大きい場面が多いと私たちは見ています。自社サイトを直しても変わらないときは、外側の情報を疑う番だと考えています。

自社がAI検索でどう紹介されているかを確かめる3つの手順

現状把握は、まずこの3手順で十分だと私たちは考えています。順番に並べると、AIに聞いて記録し、Search Consoleで表示状況を見て、読み取りを止めていないか点検する、という流れです。

  1. 自社名を出さない質問をAIに投げ、回答を記録する
  2. Search Consoleで生成AI機能での表示回数を見る
  3. AIからの読み取りを止めていないか点検する

手順1:AIに自社名を出さずに聞いて記録する

「◯◯のおすすめは?」「◯◯を比較すると?」のような質問を3〜5本用意し、複数のAIで、日を変えて数回投げます。記録するのは4つ。社名が出たか、引用元に自社サイトが載ったか、何番目に挙がったか、書かれている内容が正しいか。自社名を出して聞くとAIはほぼ確実に説明してくれるので、判断材料になりません。見込み客は社名を知らない状態で聞くからです。

手順2:Search Consoleで生成AI機能での表示回数を見る

Search Console(Googleが無料で提供するサイト管理ツール)には、生成AI機能でのサイトの表示状況を見るレポートがあり、2026年8月31日付けで世界中のすべてのサイトに提供されました(Search Console ヘルプ「生成 AI パフォーマンス レポート(検索)」、2026年9月時点)。見えるのは生成AI機能で自社へのリンクが表示された回数だけで、クリック数や入力された質問は含まれず、データは2026年5月18日以降で過去分は遡れません(neworder inc.「Search Console『生成AIパフォーマンス』レポートが全世界展開完了」、2026年9月)。あわせて確認したいのが掲載可否の設定で、生成AI機能に自社を含めるかどうかを選ぶ設定も同じ2026年8月31日から全サイトに提供されています(Search Console ヘルプ「検索の生成 AI 設定」、2026年9月時点)。意図せず除外になっていないか、私たちは最初にここを見ます。

手順3:AIからの読み取りを止めていないか点検する

サイトの入口には、どのクローラー(Webページを自動で読みにくるプログラム)を通すかを書いたファイル(robots.txt)があります。ここでAI関連を一括で拒否していないか確認します。OpenAIの場合、学習用のGPTBot、ChatGPT検索の索引用のOAI-SearchBot、ユーザーの指示でその場で読みにくるChatGPT-Userは別々に指定でき、検索用と学習用は独立して制御できます(OpenAI「Overview of OpenAI Crawlers」(英語ドキュメント)、2026年9月時点)。学習を断ったつもりで検索用まで止めると、回答にも引用にも出てきません。配信や防御を担う仕組みの側でまとめて弾いている場合もあるため、サーバー側の設定も併せて見ます。

確認した結果を4つに分けて記録する

記録は、言及率(回答に社名が出た割合)、引用率(引用元に自社サイトが載った割合)、推奨順位(回答内で何番目に挙がったか)、誤情報検知率(誤った内容が含まれた割合)の4つに分けます。分けておくと、次に打つ手が変わります。名前も出ていないなら材料不足、名前は出るのに引用がないなら読み取りや書き方の問題、という読み替えができるからです。手作業では、AIの数と質問の数と回数を掛け算した分だけ時間がかかります。私たちはこの部分を自動で回し、平均とばらつきの幅で見られる形にしています。続け方の選択肢はAI回答を分析するツールの比較記事でも整理しました。

下の図は、現状把握から改善までがひとまわりする流れを描いたものです。

AI検索での現状把握から改善までの繰り返しの流れ

AIO対策の打ち手を比べ、着手する順番を決める

打ち手は6種類に分けて比べると判断しやすくなります。表は「自社だけで今日始められるか」の列から先に見てください。

打ち手

実装コストと必要な知識

何が変わるか

向いている場面

限界

自社だけで今日始められるか

これまでのSEO(内容の質・被リンク・順位)

中〜高/既存のSEO知識で足りる

検索に登録され、候補に入る土台ができる

全社共通の前提

順位が上がっても引用は保証されない

継続中なら今日から見直せる

結論を先に書く構成と構造化データ(内容の意味をAIに伝える決まった書式)

低〜中/編集と制作の連携が必要

答えの部分が抜き出しやすくなる

記事の本数が多いサイト

入れれば引用が増えるものではない

1ページ単位で今日試せる

一次情報と運営者情報の追加(自社調査・料金や仕様・会社情報)

中/事業側からの情報提供が必要

回答に必要な事実が自社サイト内で揃う

料金や条件を聞かれる商材

公開できる情報の範囲に左右される

手元にあれば今日書き足せる

AIクローラーの許可設定の見直し

低/サーバー担当との確認が必要

止めていた読み取りが再び通る

引用がまったく見当たらない場合

許可しても引用されるとは限らない

設定の確認は今日できる

第三者メディア・比較サイト・口コミでの言及獲得

高/広報や社外の協力が必要

自社サイトの外の材料が増える

比較や「おすすめ」で負けている場合

相手の判断次第で時間がかかる

今日は着手できない

AI回答での言及・引用の定点観測

低(手作業)〜中(自動化)/記録の設計が必要

打ち手の前後を比べられる

何から手をつけるか決めたい段階

すべての質問と全ユーザーの画面は測れない

質問3本なら今日できる

要点は、上の4つが自社で動かせて、外部での言及獲得だけが社外の時間に左右されることです。着手順は3段に分かれます。

  1. 定点観測の開始と、クローラーの許可設定の点検
  2. 回答に必要な事実を自社サイトに書き足し、結論先行の構成と構造化データを整える
  3. 第三者メディアや口コミでの言及を増やす

この順番にする理由は2つです。測る仕組みがないと効果を判断できないから、そして拒否設定が残っていると他の施策が届かないから。これまでのSEOは前提として並走させます。

限界も先に押さえておきます。構造化データは、入れれば引用が増えるというものではありません(Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」)。AI向けの案内ファイル(llms.txt)についても、2026年5月のサーバーログを対象にした調査では、有効なファイルを持つ約3.8万ドメインのうち97%が一度も読まれていませんでした(Ahrefs「We Analyzed 137K Sites: 97% of llms.txt Files Never Get Read」(英語記事)、2026年6月)。Google 検索セントラルの同じページも、生成AI検索のために専用のファイルやマークアップを新しく作る必要はないとしています。私たちは、案内ファイルの優先度は低いと考えています。

AIO対策でよくある誤解と、いまの計測でわかる限界

先に結論を書くと、順位が高いことと引用されることは別で、誤った紹介は放っておいても直りません。順番に見ていきます。

検索1位ならAIにも引用される、という誤解

順位と引用は別物です。統合が進んでいる前提でも、AIモードとAIによる概要では使うモデルや手法が異なる場合があるため、回答の内容も表示されるリンクも一致しません(Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」)。ですから機能ごとに分けて確認します。1位のページが引用されず、下位のページが引用元になる場面もあります。

誤った紹介はAIが勝手に直す、という誤解

生成AIが事実でない内容をもっともらしく答えてしまう現象を「ハルシネーション」と呼びます。存在しないサービス、古い料金、誤った実績などがこれに当たります。放置すると同じ誤りが回答に残り続けるので、私たちは継続して監視し、事実を書いた一次情報を用意して直す対象として扱っています。詳しくはAI検索の誤情報の原因と企業の対策をまとめた記事で扱いました。

いまの計測でわかることの限界

商用のAI検索は内部の仕組みを公開していないため、外から見た観察にとどまります。AIが語る「なぜその情報を選んだか」も後づけの説明で、内部処理をそのまま再現したものとは限りません。ログアウトした状態での計測は中立の基準値で、設定や履歴が効いた実ユーザーの回答そのものではありません。効き方についても、検索順位のように数日で数字が動く前提は置かず、定点で見る対象だと位置づけています。

まとめ:自社の現状を1つだけ確認するところから始める

AIO対策は、AIの回答の中で自社が言及され、引用され、好意的に、正しく語られる状態をつくる取り組みです。現状把握は、AIに聞いて記録する、Search Consoleで表示回数を見る、読み取りを止めていないか点検する、の3手順から始めれば十分です。着手順は、測る仕組みと許可設定から入り、次に自社サイトの事実を足し、最後に外での言及を増やす流れだと私たちは考えています。

次の一歩は1つに絞ってください。自社名を出さない質問を3本作り、2つのAIで3回聞いて、社名と引用元を記録することです。手を動かす前に現状の見方を相談したい場合は、株式会社AI Hackから問い合わせいただけます。