毎週記事を出しているのに、検索でもAIの回答でも自社が出てこない。 SEOでもAI検索でも、E-E-A-Tが指す「誰が、何にもとづいて書いたのか」を外から確かめられる形にすることが、立て直しの最初の一手になります。 Googleは、検索結果の品質を人の目で点検する担当者に向けた手引きを公開しています。その手引きで情報の良し悪しを見る観点として挙げられているのが、経験・専門性・権威性・信頼性の4つで、頭文字を取ってE-E-A-Tと呼ばれます。「EEAT」や、経験が加わる前の「E-A-T」も、同じ観点を指す言い方です。
書き手は、AI検索での企業の見え方を計測するツールを提供している株式会社AI Hackです。この記事では、自社サイトの信頼性の手当てに話題を絞ります。
AI検索での最適化を指す言葉は、AIO(AI Optimization)のほかにLLMO(Large Language Model Optimization)、GEO(Generative Engine Optimization)、AEO(Answer Engine Optimization)などがあり、業界でまだ呼び方が統一されていません。本メディアではこれらを総称して「AIO」と表記します。
先に結論を3つ挙げます。
- E-E-A-Tは4つの観点の名前であって、サイトに付く点数ではありません
- 4つのうち信頼性が中心にあり、残りの3つはそれを支える材料です
- 検索でもAI検索でも効くのは、書いた人と根拠が外から確認できる状態です
E-E-A-Tとは何か|経験・専門性・権威性・信頼性の4つと、中心にある信頼性
E-E-A-Tは、ページの中身と書き手を見るための4つの観点です。4つを足して合計点にするものではなく、それぞれが別の質問を投げかけていると捉えると、自社サイトに当てはめやすくなります。
4つの頭文字が指すもの
次の表は、左が観点、真ん中が読者が無意識に確かめていること、右が自社サイト上での表れ方という並びです。
観点 | 読者が確かめたいこと | サイト上での表れ方 |
|---|---|---|
経験 | 書いた人は実際にやったのか | 実際に使った手順、自分で撮った写真、社内で測った記録 |
専門性 | その分野を分かっている人か | 著者の経歴、資格、担当している業務 |
権威性 | 第三者からその分野の情報源と見られているか | 他社媒体での紹介、取材、講演 |
信頼性 | 正確で、誠実で、安全か | 運営者情報、連絡先、出典、更新日 |
大事なのは右の列です。4つとも、サイトの外から見える形になって初めて相手に伝わります。
権威性は自分では名乗れない|信頼性を支える3つの土台
4つのうち信頼が最も重要で、ほかの3つはその信頼に寄与する要素という位置づけです(Google検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」)。どれだけ経験と専門性があっても、連絡先も運営者も分からないページは信用されません。
つまずきやすいのは権威性です。自社サイトに「業界トップ」と書いても、権威性は積み上がりません。第三者の媒体が自社を情報源として扱ったかどうかで決まるからです。私たちは、権威性だけはサイト内の作業では動かせない項目として、ほかの3つと分けて扱っています。
次の図は、4つの観点のうち何が土台で、何がその上に載るのかを整理したものです。

Googleが2022年12月に「経験」を足した背景と、旧称E-A-Tとの違い
2022年12月15日に、従来のE-A-Tへ「経験」が加わると発表されました(Google検索セントラル ブログ「品質評価ガイドラインの最新の更新: E-A-T に経験の E が追加されました」、2022年12月)。ここでの経験とは、実際に製品を使った、その場所を訪れた、自分が体験したことを伝えている、という度合いを指します。
同じ発表では、確定申告の書き方なら会計の専門家が書いたものを読みたいが、税務ソフトの評判なら実際に使った人たちの話を読みたいだろう、という例が挙げられています。資格が要る主題と、使った人の話が要る主題は別だ、という整理です。
読者の判断に効く差分はここだけです。肩書きが無くても、自分でやった記録には価値がある、ということ。私たちは、社内にしか残っていない実施記録を文章に起こす作業を、著者ページの整備と同じくらい優先しています。
「E-E-A-Tはランキング要因そのものではない」という公式説明をどう読むか
E-E-A-T自体は、特定のランキング要因ではありません(Google検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」)。順位を上げるスイッチを探すのではなく、読者が確かめられる状態に直す作業だと置き換えてください。この章が、この記事でいちばん誤解されやすいところです。
E-E-A-Tは評価担当者向けの観点で、順位を動かすスイッチではない
この手引きは評価担当者が各ランキングシステムの働きを確かめるためのもので、順位に直接影響するものではありません(Google検索セントラル ブログ、2022年12月15日)。評価担当者は、示された観点に沿って検索結果に点を付けます。その点は個々のページを上下させるのではなく、検索全体の出来を測るために使われます。
自社サイトに「E-E-A-Tの点数」は存在しない
公式の点数は公開されていません。外部ツールが「E-E-A-Tスコア」として表示する値は、各社が独自の基準で作った推定値です。社内で目標値として追いかけると、数字合わせの作業になりやすいので、私たちは参考値として扱うにとどめています。
効くのは加点探しではなく、裏が取れる状態に直すこと|著者名のない比較記事との差
同じ「会計ソフト比較」の記事でも、書いた人の名前も比べた条件も書かれていないものと、担当者名・試した期間・試した環境が書かれたものがあります。後者は、読者が内容を自分で検証できます。Googleの自動システムは、E-E-A-Tが高い内容を見分けるために複数の手がかりを組み合わせて使います(Google検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」)。手がかりの中身は公開されていませんが、確かめられる材料を増やす以外に打ち手は無い、と私たちは考えています。
お金・健康・安全を扱うページで、Googleが信頼性を特に厳しく見る理由
健康、経済的な安定、安全に大きく影響しうる主題では、E-E-A-Tに沿っているかがより重く扱われます(Google検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」)。Googleはこうした主題をYMYLと呼びます。間違いがそのまま読者の損害になるため、基準が引き上げられるという考え方です。
2025年9月11日の品質評価ガイドラインの更新では、このYMYLの定義が見直され、選挙や行政など社会に関わる話題も含まれることが明示されました(Search Engine Land「Google updates search quality raters guidelines adding AI Overview examples & YMYL definitions」、2025年9月)。2026年10月時点で、この版が最新です。
自社が医療や金融でなくても無関係ではありません。料金表、契約条件、他社との比較ページは、読者のお金に直結します。私たちは、この3種類のページを最初の点検対象にしています。
AI検索が引用する情報源と、E-E-A-Tはどこで重なるのか
AI検索への対応とE-E-A-Tは別物ではなく、「確かめられるか」という一点で重なります。全体像はAI検索で引用されるための対策をまとめた記事で扱っているので、ここでは信頼性の手がかりに絞ります。
AIの回答は、見た目ほど出典に支えられていない
2023年当時の4つのAI検索サービスの回答を人の手で点検した研究では、示された出典で完全に裏づけられていた生成文の割合は平均51.5%でした(ACL Anthology「Evaluating Verifiability in Generative Search Engines」Liu ほか、2023年12月)。言い切りの文が並んでいても、半分近くは出典で支えきれていなかった、ということです。
確認しやすいページが選ばれやすくなる
こうした裏づけの弱さが問題になるほど、AIの側は、誰が書いたか・何にもとづくかが分かるページを選びやすくなります。AI検索では、クリックされなくても回答の中で名前が出ること自体が成果になります。クリックが減る動き自体はクリックされずに検索が終わる動きを解説した記事で、引用の仕組みとSEOとの違いはAI検索で引用される仕組みを解説した記事で扱っています。
E-E-A-Tと重なる4つの手がかり
次の4つは、人が信用を判断するときの材料とほぼ同じです。
- 誰が書いたかが分かる(著者情報)
- 自社で測った事実(以下、一次情報)が入っている
- 引用した数値の出典が明記されている
- 運営者と連絡先が分かる
どれも、サイトを開けば5分で有無を確かめられる項目です。
なお、同じ質問でもAIの回答は毎回揺らぎます。1回聞いて出てこなかったことを、施策の失敗と読まないでください。私たちは複数のAIサービスで同じ質問を複数回繰り返し、言及率や引用率の平均とばらつき幅で判断しています。商用のAIは内部の仕組みを公開していないため、これはあくまで外から見た観察です。
次の図は、1本の記事が引用に至るまでの道筋と、途中で止まる場合を並べたものです。

自社サイトで今日から直せる信頼性チェックリスト
手を付ける順番は、確かめやすいものからで構いません。まず全体像です。
- 著者と監修を実在の人として見せる
- 自社の一次情報を1本入れる
- 出典と更新日を本文で確認できるようにする
- 運営者情報と問い合わせ導線を整える
- 第三者の媒体で言及される機会をつくる
- 著者と監修を実在の人として見せる 記事上部の著者名から、氏名・所属・担当領域を書いたページへ結びます。監修者を置く場合は、いつ、何を確認してもらったのかを1行添えてください。
- 自社の一次情報を1本入れる 自社で測った数値や、現場で実際に踏んでいる手順のことです。取り扱い件数、所要時間、試した条件のどれか1つで足ります。
- 出典と更新日を本文で確認できるようにする 外部の数値には発行元・資料名・年月を添え、資料そのものへ結びます。公開日と更新日は分けて出し、何を直したかも書きます。
- 運営者情報と問い合わせ導線を整える 商号、所在地、連絡先、事業内容を1ページにまとめ、全ページから辿れるようにします。問い合わせ先が無いサイトは、それだけで判断材料が1つ欠けます。
- 第三者の媒体で言及される機会をつくる 取材、寄稿、登壇、業界団体への参加などです。前述のとおり、権威性は自己申告では積み上がりません。
上から順に、自社サイトを開きながら確かめられる形にしたものが次の表です。
確認する項目 | 今すぐ見る場所 | 直し方 |
|---|---|---|
著者が実在の人として分かるか | 記事上部の著者名 | 氏名・所属・担当領域を書いたページを作り、記事から結ぶ |
監修の関与が分かるか | 監修者の表示 | 確認してもらった日と範囲を1行で書く |
一次情報があるか | 本文中の数値 | 自社で測った数値を1つ入れ、測った条件と年月を書く |
出典が確かめられるか | 外部の数値の周辺 | 発行元・資料名・年月を書き、資料そのものへ結ぶ |
更新日が分かるか | 記事の日付表示 | 公開日と更新日を分け、直した内容を添える |
運営者が分かるか | 会社情報ページ | 商号・所在地・連絡先・事業内容を1ページに集約する |
第三者の言及があるか | 自社名での検索結果 | 取材・寄稿・登壇など外部での露出をつくる |
要点は、どれも「自分の手で、今日から直せる」範囲だということ。私たちは、5つのうち著者情報と一次情報の2つから着手するのが効率的だと考えています。
E-E-A-T対策でやってはいけない4つのこと
やってはいけないことは、いずれも外から確かめられない点で共通します。
- 名義だけの監修 名前と肩書きだけ借りて、中身を見てもらっていない状態です。読者が監修者本人に確認したら崩れる説明は、信頼性を下げます。
- 被リンクの購入や相互リンクでの演出 順位操作を目的としたリンクのやり取りは、スパムに該当します(Google検索セントラル「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」)。
- 肩書きや実績の誇張 裏が取れない肩書きは、確認された時点で逆効果になります。
- 他社記事の要約の寄せ集め 一次情報も自分の体験も無いまま、記事数だけが増える状態です。
AIで書くこと自体が禁じられているわけではありません。価値を足さずに大量のページを作ると、大量生成されたコンテンツの不正使用に関するスパムポリシーに触れる可能性がある、という書き方です(Google検索セントラル「ウェブサイトで生成 AI によるコンテンツを使用するための Google 検索のガイダンス」、2026年10月1日更新)。同じ更新では、AIの出力には事実でない内容(ハルシネーション)が混じるため、公開前に人が事実確認することが重要だと追記されました(Search Engine Journal「Google Tells Sites To Fact-Check AI Content Before Publishing」、2026年10月)。評価されるのは作り方ではなく、出来上がったものの品質です。
もう一つ、「特定のファイルやタグを置けば評価が上がる」という思い込みにも注意してください。AI向けの案内ファイルをめぐる議論はGoogleの見解と賛否をまとめた記事で扱っています。私たちは、根拠が確認できない施策に時間を使うより、著者情報と一次情報の整備を先に終える方が確実だと考えています。
まとめ
E-E-A-Tの中心にあるのは信頼性で、経験・専門性・権威性はそれを支える材料です。そして検索でもAI検索でも効いてくるのは、書いた人と根拠が外から確かめられる状態に直すこと。著者情報、一次情報、出典と更新日、運営者情報、外部での言及の5つが、そのまま点検項目になります。
次の一歩は、自社名を出さない質問をAIに投げ、自社がどう語られているかを複数回確かめるところからです。継続して測る場合の選択肢はAI検索での見え方を測るツールの選び方をまとめた記事にまとめています。いまの語られ方を実測から確かめたい方は、無料AIO診断をご利用ください。
