見積もりを3社から取ったのに、提案の中身がばらばらで比べられない。AIO(LLMO)対策会社を探し始めた担当者から、よく聞く話です。私たちは、支援会社を比べる軸は価格でも施策の数でもなく「AIの回答をどう測るか」だと考えています。 測り方が違えば、同じ月額でも受け取る成果物は別物になります。この記事では、支援会社を5つのタイプに分け、比較の軸と費用の形、見積もりで聞くことを順に整理します。

AI検索対策を外注する前に、「AIO(LLMO)対策会社」が指す範囲をそろえる

依頼先を探す前に、言葉が指す範囲をそろえておくと比較が速くなります。同じ「AIO対策」「LLMO対策」という名前で、助言だけの会社と記事制作まで請け負う会社が並んでいるからです。AIの回答を定点観測するツールをつくり、AIOの支援をしている株式会社AI Hackの視点から、整理の順番を示します。

AIO・LLMO・GEO・AEOは、同じ相談の別の呼び名

AI検索での最適化を指す言葉は、AIO(AI Optimization)のほかにLLMO(Large Language Model Optimization)、GEO(Generative Engine Optimization)、AEO(Answer Engine Optimization)などがあり、業界でまだ呼び方が統一されていません。本メディアではこれらを総称して「AIO」と表記します。やることは共通していて、AIの回答に自社の名前が出ること(言及)、自社サイトが引用されること、語られ方が不当に悪くないこと、書かれている内容が正しいことの4つを目指す取り組みです。言葉の成り立ちから押さえたい方は、AIO(AI Optimization)とは何かを解説した記事を先に読むと早いでしょう。

この記事で扱うのは人が支援する会社で、ツール選びは扱わない

本記事は、人が動いて支援する会社の選び方だけを扱います。ツール同士の機能を見比べたい方は、AIO分析ツールを比較した記事のほうが近道です。施策そのものの全体像は、AI検索の対策(AIO)とSEOの違いを解説した記事にまとめています。私たちは、この切り分けを先にしておくほうが、相談の時間を無駄にしないと考えています。

AIO(LLMO)対策会社は5つのタイプに分かれる

支援会社は、もともとの出自によって得意な領域が違います。同じ名前で売られていても、サイトを直す会社と、外で名前が出る機会をつくる会社では、やることがまるで違います。

SEO会社の延長型:既存のSEO支援にAI検索対応を足す

検索順位を上げる支援をしてきた会社が、AI検索向けのメニューを追加した形です。記事の作り直しやサイトの修正には慣れていて、既存の制作チームをそのまま使えます。一方で、AIの回答を何度も測る体制は後付けのことが多く、報告が検索順位の話に寄りがちです。

AI検索対策の専業コンサル:計測の設計から改善の順番までを持つ

AI検索での見え方の改善だけを専門に扱う会社です。AIOコンサルティングを掲げる専業会社はここに入り、どこから手を付けるかの順番づけまで引き受けます。ただし実作業は外部への再委託になることもあるため、誰が手を動かすのかは確認が要ります。

計測ツール提供会社:測る仕組みを持ち、数字の読み方を支援する

AIの回答を自動で集めて集計する仕組みを持ち、その読み方や改善案をあわせて出す会社です。どの質問を何回聞いた数字なのかを説明できる点が利点になります。反面、記事制作やサイト改修までは自社で持たない場合があります。

制作・広報系:第三者のメディアで語られる状態をつくる

記事制作、プレスリリース、比較メディアへの掲載など、自社サイトの外で名前が出る機会を増やす会社です。AIの回答は他社サイトの記述を引くことが多いため、この領域は効きます。サイト内の技術的な修正や継続した計測は、範囲外のことがあります。

内製+スポット顧問:社内で回し、要所だけ外に聞く

月に数回、助言だけを受ける契約です。社内に手を動かせる人がいれば費用を抑えられます。逆に担当者が決まっていないと、助言だけが溜まって何も進みません。

施策は大きく、自社サイトの改善、記事などの内容づくり、外部メディアでの言及づくりの3つに分かれます。次の図は、この3つに計測とレポートを加えた4つの領域で、どのタイプが主担当になり、どこが空くのかを並べたものです。私たちは、4領域すべてに強い会社は多くないと見ています。

支援会社5タイプと得意領域の対応図

タイプ別比較表で、施策範囲・計測・費用の形を見比べる

タイプごとに違うのは価格よりも、任せられる範囲と報告の中身です。下の表は、同じ月額を払ったときに何が返ってくるかを並べたものと考えてください。

タイプ

主な施策範囲

計測とレポート

契約と体制

費用の形

限界

SEO会社の延長型

サイトの改善と記事

検索順位の報告が中心になりやすい

月額の継続。既存の制作チームを流用

既存のSEO費に上乗せ

AIの回答を繰り返し測る体制は後付け

AI検索対策の専業コンサル

改善の設計と順番づけ

言及の有無や引用元まで分解

月額の継続。少人数で担当

継続費の中心帯

実作業が再委託になることがある

計測ツール提供会社

計測の仕組みづくり

自動で定点観測し、条件を開示

ツールの月額に支援を追加

ツール費と支援費の合算

記事制作やサイト改修は範囲外のことがある

制作・広報系

記事制作と外部での言及づくり

掲載本数の報告が中心

本数ごとの単価と月額

制作1本ごとに加算

サイト内の技術的な修正に弱い

内製+スポット顧問

助言のみ

社内で測る前提

月数回の時間契約

単発・時間単位

社内に手を動かす人が要る

表の下に行くほど外での露出に寄り、実作業は社内に戻ります。サイトの作りに不安があるなら上の2つ、名前が挙がらないことが悩みなら制作・広報系が向きます。注意したいのは、どのタイプも「AI検索対策一式」という同じ名前で売られる点です。「見積もりの『AI検索対策一式』って、何をしてくれるんですか」と聞かれることが多いのは、このためだと考えています。

従業員30人以上・年商5億円以上の企業418名に2026年7月に行われたPRIZMAの調査では、外注費の最多回答が月額40万円程度(18.4%)でした(mihata「LLMO対策の費用相場|外注できる作業と頼めない部分」、2026年)。mihataの同じ記事(2026年)では、単発の診断が数万〜80万円前後、ページ改修まで含む設計と実装が80〜250万円前後、継続の運用コンサルが月額20〜80万円前後と整理されています。公開料金を21社分そろえた整理では、月次の提案やレポートを受けるコンサル契約が月額15万円〜100万円以上と幅がありました(メディアグロース「LLMO対策の費用相場」、2026年8月公開時点)。幅が大きいのは、どこまで実行を任せるかで中身が変わるからだと見ています。

次の図は、支援の形ごとに金額の帯がどこまで広がるかを並べたものです。

支援の形ごとの外注費用の帯

継続して運用を任せる契約は3〜12か月を見込むのが一般的です(mihata、2026年)。効果の判断もこの期間に合わせるほうが、無理がないと考えています。

支援会社を比べる軸は、AIの回答をどう測るかに置く

比較軸の中心に置くべきは、計測の決め方です。何をもって「成果が出た」と言うのかが会社ごとに違うと、提案書の数字は並べても意味を持ちません。

同じ質問でも、AIの答えは聞くたびに変わる

AIは同じ質問に対しても、毎回少しずつ違う答えを返します。同じ質問を同じタイミングで投げ直しても、引用されるサイトの重なりは3〜4割にとどまりました(ザンクトガレン大学「Don't Measure Once: Measuring Visibility in AI Search」、2026年4月)。だから見え方は、1回の結果ではなく何度も測った散らばりとして捉えます。1回聞いて「出ない」と判断するのは、この揺れを無視した見方です。

AI検索で引用されやすくするという考え方は、2024年のデータマイニングの国際会議で発表された研究で初めて形になりました(Aggarwal ほか「GEO: Generative Engine Optimization」(KDD 2024)、2024年)。この研究は約1万件の質問で9つの打ち手を比べています。多くの質問を繰り返して差を見るのが、もともとの前提でした。

契約前に、計測の条件を書面でそろえてもらう

見積もりを比べる前に、測り方の4点を書面でそろえてもらいます。どのAIサービスを測るか、質問文を何本使うか、同じ質問を何回繰り返すか、自社名を出さない質問を含むか、の4点です。どのAIサービスを測るかは、GoogleのAI Modeを解説した記事で触れたように、サービスごとに答えの作り方が違う点を踏まえて決めます。質問文の設計は、クエリファンアウトの解説記事が参考になります。

報告される数字も分解して見ます。代表的なのは、回答に自社名が出た割合(言及率)、引用元として自社サイトが出た割合(引用率)、回答の中で何番目に薦められたか(推奨順位)、サイトへの流入の4つです。このどれを成果に置くかで、提案の中身は変わります。私たちは実務として、複数のAIサービスと複数の質問文を組み合わせ、同じ質問を繰り返して定点観測しています。言及率と引用率、引用元のサイトまで分けて見ると、直す場所の見当が付きます。

依頼前に自社で決めておく3つのこと

相見積もりの前に、社内で決めておくことは3つだけです。ここが空欄のまま相談すると、各社が別々の前提で提案を書き、比べられない見積もりが並びます。決めるのは次の3点です。

  • 目的
  • 対象サービスと聞かれ方
  • 計測条件の希望
  1. 目的を1つに絞ります。AIの回答に出たいのか、事実と違う説明(ハルシネーション)を直したいのか、問い合わせを増やしたいのかで、頼むタイプが変わります。誤った説明が出ている場合は、AI検索での誤情報表示への対策をまとめた記事が参考になります。
  2. 対象のサービスと聞かれ方を決めます。どの商材について、自社名を出した質問と出さない質問のどちらで出たいのかを書き出します。
  3. 計測条件の希望を持っていきます。測ってほしいAIサービスと、報告してほしい数字を指定すると、各社の提案が同じ土俵に乗ります。

私たちは、3つ目を自社で持っていけるかどうかが、比較の精度を一番左右すると考えています。

見積もりで確認する10の質問

商談で聞くことは、この10点に絞れます。価格の話の前にここを埋めると、見積もりの差が「範囲の差」なのか「測り方の差」なのかが分かります。聞く順に並べると、次のとおりです。

  • 対象のAIサービス
  • 質問文の本数と作成者
  • 繰り返しの回数
  • 自社名を出さない質問
  • ログインの有無
  • 報告する指標
  • 施策の範囲
  • 実作業の担当
  • 契約期間と解約条件
  • 約束できない範囲
  1. どのAIサービスを測りますか。名前が出てこない場合、成果の確認先が決まっていません。
  2. 計測に使う質問文は何本で、誰が作りますか。自社任せなら、その作業は社内に残ります。
  3. 同じ質問を何回繰り返して集計しますか。1回だけなら、数字の上下を偶然と区別できません。
  4. 自社名を出さない質問は含まれますか。指名の質問だけでは、自社を知らない人に届くかを測れません。
  5. 計測はログインしていない状態で行いますか。担当者の利用履歴が混ざると、毎月の条件が変わります。
  6. レポートの指標は何ですか。言及率、引用率、推奨順位、流入のどれを報告するかを先に決めます。
  7. 施策はどこまでやりますか。提案だけか、サイトの修正か、記事制作か、外部での露出づくりかを分けて聞きます。
  8. 実装や記事制作は自社でやりますか、再委託ですか。窓口と作業者が違うと、修正の往復が増えます。
  9. 契約期間と解約条件、最低の継続月数はどうなっていますか。短い試行ができるかどうかで、初期の負担が変わります。
  10. 約束できる内容と、約束できない範囲はどこですか。「AIに必ず載せます」と答える会社は、私たちなら候補から外します。

よくある失敗と、支援会社に期待できない限界

失敗の形は、だいたい4つに収まります。どれも契約前の確認で避けられるものです。

掲載の保証を信じるのが1つ目です。AIの答えは毎回揺れるため、特定の回答に必ず載せることは構造的に約束できません。2つ目は、自分のスマホで1回聞いて「出ない」と決め、動き出した施策を止めてしまう例です。

3つ目は、AI向けの特別なファイルや記述を入れれば出ると考えることです。Googleは、llms.txtのようなAI向けのファイルを他のサービス向けに用意するのは問題ないものの、Google検索はそれらを使わないため、置いても検索での見え方や順位は変わらないと説明しています(Google検索セントラル「Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する」、2026年10月確認)。同じガイドでは、生成AIの機能は検索の中核の仕組みの上に成り立つため、これまでの検索向けの取り組みも引き続き有効だとしています。4つ目は、計測の仕組みを入れただけで終わる形です。数字が出ても、直す人が決まっていなければ何も変わりません。

あわせて限界も共有しておきます。AIサービスは内部の仕組みを公開していないため、外から分かるのは結果の観察にとどまります。私たちは、だからこそ観察の条件をそろえることに手間をかける価値があると考えています。

まとめ

絞り込みは3手で足ります。目的を1つに決める、必要な施策範囲からタイプを2つに絞る、同じ計測条件で複数社から見積もりを取る、の順です。価格の比較はその後で十分だと考えています。どこから測り始めるか迷う場合は、株式会社AI Hackの無料AIO診断(実測)で、自社がAIの回答にどう出ているかを確かめるところから始められます。