「◯◯のおすすめは?」と生成AIに聞いても、自社の名前が出てこない。そんな相談が増えています。
LLMOとは、生成AIが書く回答の中に自社の情報が正しく載り、引用元として扱われるようにする取り組みです。 狙う先は検索結果の順位ではなく、AIが書く文章そのものになります。
AI検索での最適化を指す言葉には、AIO(AI Optimization)のほか、LLMO(Large Language Model Optimization)、GEO(Generative Engine Optimization)、AEO(Answer Engine Optimization)があります。呼び方は業界でまだ統一されていません。本メディアでは、これらを総称して「AIO」と表記します。
なお、この記事が扱うのはマーケティングの文脈のLLMOです。大規模言語モデルを使ったシステムの開発・運用管理を指すLLMOpsとは別の言葉になります。
AI検索で自社サイトが出てこない──AIO(LLMO)という言葉が増えた理由
AIO(LLMO)が語られ出したのは、人がAIに直接たずねて答えを受け取るようになったからです。以前は検索結果のリンクを順に開き、自分で見比べていました。いまはAIが候補を絞った文章を先に見せます。つまり、クリックされる前に比較が終わります。
規模も小さくありません。OpenAIは2026年9月29日の開発者向けイベントで、自社サービス全体の利用者を週12億人と示しました(OpenAI「DevDay 2026 Recap」、2026年9月)。日本でも、生成AIサービスを使ったことがある人は2025年度調査で58.8%でした(総務省「令和8年版情報通信白書」、2026年7月)。
検索そのものも変わりました。Googleの「AIによる概要」は200以上の国と地域、40以上の言語に広がりました(Google「The latest AI news we announced in May」、2025年5月)。さらに2026年5月のGoogle I/Oで、「AIによる概要」と対話型の「AIモード」は一続きの体験としてつながりました。AIモードで、本人のGmailやGoogleフォトを参照して答えるパーソナル機能が、約200の国と地域・98言語に広がりました(Google「Google Search's I/O 2026 updates」、2026年5月)。
私たち株式会社AI Hackは、AIの回答を継続して計測するツールとコンサルティングを提供しています。この変化を「流入が減る話」だけで捉えると打ち手を外すと考えています。回答の中で自社がどう語られるかが、先に勝負を決めるからです。流入面の影響はAI Overviewsで流入が減る理由で整理しています。
AIO(LLMO)とは何か──Large Language Model Optimizationの意味
LLMOは、生成AIの回答を相手にした最適化を指す言葉です。SEOの「検索エンジン向け」という発想を、AIの回答文に置き換えたものと考えると近いです。
LLMOはLarge Language Model Optimizationの略
LLMOは「エルエルエムオー」と読み、Large Language Model Optimizationを縮めた呼び名です。大規模言語モデルとは、大量の文章を学習して文章を作るAIの仕組みを指します。ChatGPTやGeminiの中身にあたる部分です。
AIO(LLMO)が目指す4つの状態
ゴールは、回答の中での自社の扱われ方を整えることにあります。具体的には次の4つです。
- 言及:回答の文中に自社名やサービス名が出てくる
- 引用:回答の引用元として自社サイトが示される
- 文脈:語られ方が否定的でなく、実態に合っている
- 正確性:料金や実績などの事実が間違っていない
後ろの2つは守りの話です。生成AIが事実でない内容をもっともらしく書く現象を「ハルシネーション」と呼びます。存在しないサービスや古い料金が語られると、営業の現場で説明のやり直しが発生します。
AIO(LLMO)が対象にするのは順位ではなく回答文の中身
SEOは「どのページを上に出すか」を競います。AIOが関わるのは「どの情報を文章に織り込むか」のほうです。回答に自社が入らなければ、サイトの順位が1位でも読者の目には触れません。私たちは、順位の代わりに「回答に出たか」を数えるところから始めるのが現実的だと考えています。
生成AIは、自社サイトの情報をどこから持ってくるのか
生成AIがWeb上の情報を使う道は、大きく2つに分かれます。1つはあらかじめ覚え込ませた情報、もう1つは答える直前に自分で調べた情報です。どちらを通ったかで、直し方も反映までの時間も変わります。
経路1:あらかじめ学習に取り込まれた情報
AIは、公開された大量の文章を事前に読み込んだ状態で世に出ます。その時点の知識が、回答の土台になります。たとえば2年前のサービス名が残っていると、古い名前のまま紹介されることがあります。ここは外から直接は書き換えられません。
経路2:回答を作る前にその場でWebを検索する情報
もう1つは、質問を受けてからAIがWebを調べる道です。見つけた数ページを材料にして、回答文を組み立てます。この場合、回答の下に参照したページのリンクが並びます。そこに自社サイトが入るかどうかが、引用されるかの分かれ目です。
AIO(LLMO)で手を入れられるのは主に経路2
自社の修正がすぐ効くのは、その場で調べられる側です。ページを直せば、次に調べられたときの材料が変わります。次の図は、質問から回答までの流れがどこで二手に分かれるかを並べたものです。

私たちは、まず経路2で拾われる状態を作り、そのうえで外部の記事やレビューを整える順番を勧めています。
AIO(LLMO)とSEOは何が違い、どこは同じなのか
違いは「何を取りに行くか」に集約されます。SEOは検索結果の順位、AIOはAIが書く回答の中身を取りに行きます。下の表は、同じ6つの観点で両者を並べたものです。
観点 | SEO | AIO(LLMO) |
|---|---|---|
取りに行く先 | 検索結果ページの順位 | AIが書く回答文の中身 |
読者の到達点 | 自社サイトへのクリック | 回答内での言及・引用(クリックを伴わないことも多い) |
評価する側 | 検索の順位付けの仕組み | AIと、その場で集めた検索結果の組み合わせ |
同じ質問の再現性 | 順位は再現しやすい | 同じ質問でも答えが揺れる |
効きやすい打ち手 | 自社サイト内の改善が中心 | 自社サイト+第三者の媒体での言及 |
成果の見方 | 訪問数・問い合わせ | 言及率・引用率・推奨順位 |
最後の行の3つは、回答に自社名が出た割合、引用元として自社サイトが出た割合、回答の中で何番目に薦められたかを指しています。
一方、土台は共通です。読んで分かる内容、AIが読み取れるページの状態、第三者からの評価。この3つはどちらにも効きます。違うのは比重で、自社サイトの中だけを磨いても届きにくくなります。私たちは、SEOの担当者がそのまま兼ねられる領域だと見ています。全体像はAI検索の対策(AIO)の全体像にまとめました。
LLMO・GEO・AEO・AIO──呼び名の違いと、AIOと総称する理由
先に結論を言うと、4つは指している中身が大きく重なります。どれも「生成AIの回答に、自社が正しく出てくるようにする」話です。発祥と、どの場面を見ているかが違うだけと考えてよいと思います。
呼び名 | 元の英語 | 主に指す対象 | 本メディアでの扱い |
|---|---|---|---|
LLMO | Large Language Model Optimization | 生成AIの回答での言及と引用 | AIOに含める |
GEO | Generative Engine Optimization | 回答を作って返す検索サービス全般 | AIOに含める |
AEO | Answer Engine Optimization | 質問への直接の答え(音声での応答も含む) | AIOに含める |
AIO | AI Optimization | 上の3つをまとめた総称 | 本メディアの主表記 |
SEO | Search Engine Optimization | 検索結果ページの順位 | 別の取り組みとして扱う |
このうちGEOは、研究の世界から広まった言葉です。2024年のデータ分析の国際会議で発表された論文が、この呼び名の出どころにあたります(ACM「GEO: Generative Engine Optimization」、2024年8月)。
つまりLLMO・GEO・AEOは、中身が大きく重なる呼び名であり、本メディアではこれらをまとめてAIOと呼んでいます。社内では用語を1つに決めて揃えたほうが話が早いと考えています。次の図は、それぞれの言葉が見ている範囲の重なりを並べたものです。

GEOの詳しい説明はGEOとは何か、SEOとの違い、総称としての定義はAIO(AI Optimization)の定義で扱っています。
生成AIに引用されやすい情報には、どんな共通点があるのか
選ばれやすいのは、誰の情報かがはっきりし、根拠が添えられた記述です。言い換えると、人が読んでも裏が取りやすい書き方をしたページになります。
AIO(LLMO)で効きやすいのは、出典や数字が添えられた記述
約1万件の質問で9つの書き換え方を比べた研究では、出典の明示・引用文・統計の数字を加えると、AIの回答での見え方が最大で約40%改善したと報告されています(ACM「GEO: Generative Engine Optimization」、2024年8月)。ただし「最大で」という条件が付きます。すべてのページで4割増える、という意味ではありません。
長い文章では、どこに書くかで読み取られ方が変わる
AIに長い材料を渡すと、真ん中あたりに置かれた情報は使われにくくなるという報告があります(ACL Anthology「Lost in the Middle: How Language Models Use Long Contexts」、2024年)。この研究が扱っているのは、AIに渡した材料の中での情報の位置です。大事な結論は、記事の冒頭や見出しの直後に置くほうが安全だと考えています。
AIが付ける引用は、必ずしも正確ではない
AIの回答と引用元を人の目で突き合わせた調査では、引用で裏づけられていた文は平均51.5%でした(ACL Anthology「Evaluating Verifiability in Generative Search Engines」、2023年)。リンクが付いていても、中身が合っているとは限らないわけです。自社に関する誤りを見つけたら、元の情報のほうを直す必要があります。具体的な進め方はAIO対策は現状確認からで説明しています。
AIO(LLMO)でつまずきやすい3つの誤解と、いまの限界
最初につまずくのは、たいてい次の3つです。
- SEOの置き換えだという誤解:土台は共通で、どちらも必要になります。検索からの訪問がなくなるわけではありません。
- 順位のような1つの指標があるという誤解:AIの回答は毎回少しずつ変わります。1回聞いて出なかったことは、施策の失敗を意味しません。
- やれば必ず引用されるという誤解:引用される確率を上げる取り組みであって、保証ではありません。
限界もあります。AIの内部は公開されておらず、外から観察して推し量るしかありません。だから私たちは、自社名を出さない質問を複数用意し、複数のAIで何度も繰り返して記録しています。1回の結果ではなく、出た割合で判断する形です。
まとめ:Web担当者が今週からできる3ステップ
AIO(LLMO)は、AIが書く回答の中に自社を正しく置くための取り組みでした。呼び名は複数ありますが、やることはほぼ同じです。手順は、現状確認・情報整備・計測の3つに分かれます。
- 現状確認:自社名を出さずに「◯◯ おすすめ」と複数のAIに聞き、回答と引用元を記録する。
- 情報整備:出てきた誤りや古い記述を、自社サイトと第三者の媒体の両方で直す。
- 計測:同じ質問・同じ手順で測り続け、言及と引用の変化を追う。
私たちは、最初の1回を記録に残すことが一番の分かれ目だと考えています。測る道具の選び方はAIO(LLMO)ツールの選び方にまとめました。自社がいまどう語られているかを実測したい場合は、無料AIO診断(実測)をご利用ください。
